きずなづくりプロジェクト「絆レボリューション」きずなづくりの心得。妊娠期からの「きずな」づくりを始めましょう!!

産婦人科ドクターにインタビュー

「きずなづくり」について産婦人科ドクターにインタビュー。

家族の幸せを願う総合医療と、胎児カルテ

国立成育医療研究センター 周産期診療部産科医長 久保 隆彦先生
国立成育医療研究センター
周産期診療部産科
医長 久保 隆彦
URL:http://www.ncchd.go.jp

日本の周産期医療の先端をリードする、国立成育医療研究センター。周産期診療部産科医長の久保隆彦先生に2002年から導入されている「胎児カルテ」のお話をお伺いしてきました。

胎児カルテとはどのようなものですか。
病院全体が完全なペーパーレス電子カルテによって管理されています。 診察に来られて初めてお母様のカルテが作られますが、当センターではお母さんだけでなく、おなかの赤ちゃんも「一人の患者」として、お母さんのカルテと同様に赤ちゃんのカルテも作られます。それを「胎児カルテ」と読んでいます。そのカルテで、妊娠期間中、お母さん、赤ちゃんの健康を見守っていきます。
カルテを運用してみてどのような効果がありましたか。
胎児カルテ運用の効果もともと病院全体を完全ペーパーレスの電子カルテを導入する事になっていたのですが、その際に産科のカルテを開発する時に、おなかの赤ちゃんというもう一人の人格がいることで、通常のカルテを使用することにいろいろと不具合が起こってきました。
その際に、おなかの赤ちゃんも「一人の人間として」おなかの中にいる時から健康管理していこうじゃないかという事になり、胎児カルテという形で扱うようにしたところ、電子カルテ上の問題も解決しました。
その際にお母さんと赤ちゃんのカルテの関連を持たせるアプリケーションを開発したことにより、2名以上の患者さんの同時管理ができるようになりました。安全の医療を提供するという事に関して効果があったと考えております。胎児カルテは、一生涯カルテとして使いますので、その後成長してから他の診療科にかかった時もそれを使用します。
検診に来られた妊婦さんや付き添いの旦那様は、赤ちゃんのカルテと聞くと驚かれるのではないでしょうか。
胎児カルテの効果そうですね。
ただ、これは結果的な効果なのですが、胎児カルテを通じて「一人の人間として赤ちゃんの存在を認識する」という反応が見られます。
お父さんは、お母さんと違い、自分のおなかの中に赤ちゃんがいるわけではないので、赤ちゃんへの父性の目覚めがどうしても遅れます。ですが胎児カルテを見て、「患者さん」としてこちらが診察していると感じると、赤ちゃんへの認識が生まれます。
父親としての愛情が生まれるきっかけになるケースも少なくないようです。
最後にメッセージをお願いします。
当センターでは、様々な科がありますが、胎児の時からカルテを作成することで、そのカルテは赤ちゃんが大人になり生涯を閉じるまでのカルテとなっていきます。
周産期診療部だけでなく各科同じ志しで、患者さんお一人お一人の健康を、一生を通して見守り続けたいとそう願っております。
笑顔溢れるご家族の健康で幸せな生活のお手伝いができればと思っております。

取材/文章 中村有希(Eu-D)

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