きずなづくりプロジェクト「絆レボリューション」きずなづくりの心得。妊娠期からの「きずな」づくりを始めましょう!!

産婦人科ドクターにインタビュー

「きずなづくり」について産婦人科ドクターにインタビュー。

赤ちゃんを直に感じて〜母は強くなる

院長村上弘一
恵愛病院
院長  村上 弘一
URL:http://www.keiai-kmt.or.jp/
恵愛病院でのお産方法について教えてください。
当院のお産はみなさん千差万別です。
自然分娩をされる方の中にはソフロロジーを選択される方もいますし、無痛分娩を選択される方もいらっしゃいますね。
ソフロロジーでのお産をすすめてはいるのですが、妊娠中に音楽を聴きこんで、呼吸法のトレーニングもしてと結構大変なので、ソフロロジーを希望される方に指導をして頑張ってもらっています。
熱心に練習される方は非常に上手にお産されるのでいいなぁと思いますね。
ソフロロジーはあくまでも自分の赤ちゃんを自分の力で産むんだ、とう心構えが大前提です。
楽してお産なんてできない。痛いものは痛いからね。痛いんだけどそれを積極的にとらえるか、どうかの違いですよ。
ソフロロジーにしても何にしても、誰の子でもない自分の子ですから、最後まで主体的に取り組んで頂きたいと思いますね。
他にどんなお産方法を取り入れていらっしゃいますか。
母親教室基本的には自然分娩がお産の基本だと思っています。
よほど医学的な適応がない限りは自然分娩ですね。無痛分娩に関しては、マンパワーの問題もあって、自然の陣痛に任せると逆に対応できないこともありますから日にちを調整しています。
でも石川県は土地柄でしょうか、妊婦さんが希望されても周りのご家族が反対されることが多いですね。ヨーロッパやアメリカなんかはもう90%以上が無痛分娩という状況なんですがね。韓国は90パーセントが帝王切開みたいですしね。韓国人にとっては「お産=帝王切開」という意識ですよ。
だから「痛みに耐えてがんばろう!」って、日本人は良くお産をがんばっていると思いますね。1回目帝王切開で2回目自然分娩を希望される方も、医学的に問題がなければ取り入れていますよ。本当いろんな形のお産があるんですよね。
ただ帝王切開は安全な手術と思われがちですが、術後のトラブルもあるので、やむを得ない場合の処置と捉えて頂いた方が良いと思います。
妊娠中、患者さんに赤ちゃんとのつながりを感じてもらうような指導はしていますか。
4Dエコー超音波妊婦健診を通じて「胎動に良く注意して、感じてください」ということは言っています。
それを感じられるのはお母さんだけなのでね。胎動の多い少ないは医学的にも大切な所見ですしね。
お母さんと赤ちゃんは「一身同体」(※造語です。本来は「一心同体」です。)と科学的にも証明されています。10年程前ですが産後のお母さんの細胞を調べると、隙間隙間に赤ちゃんの細胞が入っていて完全に取り込んでいることがわかったんですね。「キメラ」の状態です。まさに一身同体ですよ。母は強しという理由がわかりますよね。それに陣痛の痛みを乗り越えているんですからそれだけで女性は天下無敵ですね。脱帽です。

≪キメラとは??≫
他の個体の細胞と混ざって、一つの個体を形成している状態。
普通他の細胞が取り込まれると、取り込まれた細胞を排除しようとするが、受け入れている状態をキメラといいます。

母は強し、ということですが、お父さんが何かできることはありますでしょうか。
外観妊娠中お父さんが赤ちゃんに直接してあげられることって限られていますよね。
だからお母さんを介して手伝ってあげてほしいですね。
妊娠中お母さんの体はどんどん変化しますから、それを理解してあげて、サポートしてあげる。重いものを持ったりとか、産後はオムツ替えとかお風呂入れとか、できることはなんでもしてあげたらいいと思います。
そういう日常の中でご主人もだんだん「お父さん」になっていきますからね。
お産は何が何でもお母さんが主役です。
生物の基本は女性ですから、お父さんができないことは絶対にあるんですね。
母乳にも力を入れていますが、それも赤ちゃんが乳首を吸う力をお母さんがしっかり感じることに意味があるからです。
胎動を感じるのと同様にお母さんにしか分からないことですから。
ただそんなお母さんを支えるお父さんの役割ってあるので、うまく役割分担して二人で子育てして頂きたいですね。二人で作った子どもですから、二人で育てるのが当たり前じゃないですかね。

取材/文章 谷 結実(Eu-D)

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