きずなづくりプロジェクト「絆レボリューション」きずなづくりの心得。妊娠期からの「きずな」づくりを始めましょう!!

産婦人科ドクターにインタビュー

「きずなづくり」について産婦人科ドクターにインタビュー。

赤ちゃんにやさしい病院として4つの柱からなる絆づくり

笠松産婦人科
笠松産婦人科/小児科
院長 笠松 堅實
URL:http://www.kasamatsu-sanfujinka.or.jp/

赤ちゃんとお母さんの絆の原点でもある母乳育児に熱心に取り組まれているとお聞きし、大阪府阪南市にある笠松産婦人科/小児科の院長 笠松堅實先生に親子の絆づくりについてお話をお伺いしてきました。

笠松産婦人科/小児科の医療方針を教えて下さい
はい。今私達の社会では、子どもの数が減り、家族の姿が変化し、地域社会の関係が薄れてきています。
その為、お産を間近に見ることはもちろん、妊娠中の女性とかかわったり、日常の中でおっぱい育児に触れたりする機会がほとんどなくなってしまいました。
多くの女性が、実体験することがないまま、自身の妊娠、出産、育児を始めることになっています。
一方、生活スタイルが便利・楽になり、その結果、 "いきもの感覚" が薄れ、しなやかにたくましく困難を乗り越えていくことが難しくなっています。
当院では、フリースタイル出産、カンガルーケア、母子同室、母乳育児 を四つの柱として、多くの女性が、ご自身の持つ感性・産む力・育てる力、子どもの生きる力・育つ力に気付き、自信を持って育むことができるようにお手伝いをしたいと願っています。
赤ちゃんにやさしい病院とはどういう事でしょうか。
ユニセフの「赤ちゃんにやさしい病院」BFH認定という言葉を耳にされた事があるかと思いますが、当院では日本で6番目に認定された産院で、早い時期から母乳に力を入れております。ユニセフの母乳育児のための10ヵ条を守っている事が認められた施設に与えられてます。出産から1カ月までの完全母乳率として今では93%以上の方が順調に育児をされております。
1983年開院した当時は粉ミルク(人工乳)も導入しており、1か月の母乳率は31%と低かったのですが、母乳には粉ミルク(人工乳)に比べ多くの利点があることがわかっております。
産まれた赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸い、入院中の24時間一緒にいることでちょっとした変化も私たちより敏感に発見してもらえるかと思いますし、退院後の生活にも早く慣れていただけるかと思います。 母乳育児支援・母子支援する立場として再確認し、母子の絆づくりの原点として母乳育児を推奨し、出産直後の感受期における母子の早期授乳・早期接触としてカンガルーケアを実施するようになりました。
ご主人様には何かお伝えしている事はありますか?
両親教室当院ではお父さんも健診にご参加いただくことを推奨しております。
どの健診日もお父さんにご参加いただけますが、普段お仕事で忙しいお父さんに最もオススメなのは超音波検査の週です。 超音波でお腹の赤ちゃんにご対面できますので、少しづつ大きくなってくると、どちらに似ているか?など楽しみにされておりますね。
沐浴体験 日常の過ごし方や、バースプラン、お産の進み方などもお話し、ご主人様の心の支えについての重要性をお話します。
両親教室のA(子育て教室)と両親教室のE(お産の準備クラス)ではお父さんの役割などしっかりお話できますので、家族が増える事にたいして、ご夫婦そろって向き合える機会だと感じております。
お父さん同士の仲間作りもできますので、お母さんだけではなく、家族ぐるみでお友達になっていらっしゃる方も多くいらっしゃいますよ。
その他、教室又は取り組まれているサービスについて教えて下さい。
マタニティーヨガ当院では母親教室B,C,D,F、マタニティーヨーガ、リフレクソロジー、じぃじばぁばセミナー、退院後のベビーマッサージ/アフターヨーガクラス、離乳食クラス、スリング教室、音楽遊びと日々色々な教室展開をしております。母親教室では、妊娠中のお食事やお産に向けてのお話、母乳についてのお話などを、当院の助産師や栄養士がご紹介しております。
ベビーマッサージ 又、妊婦健診中にはオリジナルラベルの入った4D画像のDVDをご用意しております。お腹の中の様子が映像で保存できますので、育児で疲れた時など思い返して欲しいですね。
また、入院中だけではなく、退院後のフォローアップに力を入れており、電話訪問やその他、医師の医療的な関わりとは違った、助産師、看護師による母性的なケアと援助に力を入れる事により、これからお母さんになられる方々のお役に立つ事を願っております。
退院後のベビーマッサージ/アフターヨーガクラスでは、お母さん同士お友達作りが出来ますし、少し大きくなると音楽遊びに参加され、子供との関わり方が分らない、手遊びってどうするの?というお母さんの為に、息抜きの場としても多くの方にご参加頂いております。
最後に、先生のお産に対する考え方やメッセージをいただけますか。
院長笠松 堅實先生「授乳:母乳で育てる」による肌の触れ合い(skin to skin)はわが子への愛おしさを育み、 自分の「おっぱいで育つ」ことでわが子との一体感が築かれていきます。誕生直後の感受期での母子の早期接触は、わが子との愛着形成と母乳育児成功の基礎となります。
出産直後からの母子同室は、速やかに、容易に赤ちゃんとの生活に慣れることで赤ちゃんとのきずな作りと、赤ちゃんの要求に合わせ頻回に授乳できることで母乳育児成功の柱となります。ですが、さまざまな事情で早期接触や、早期の母子同室が果たされなくても、その後の母乳での子育てで、母子の絆は十分作られていきます。
結果的に混合栄養となったとしても、それまでのわが子へのあなたの懸命な関わりで、絆はもう作られている事でしょう。 私達の施設での妊娠、出産、育児の経験が、よい親子関係作りのスタートとなる事を心から願っています。
又、退院後も離乳食相談やその他育児に関する相談事、卒乳などの相談に当院に来て頂いてます。
嬉しいお知らせとして、2世代目のお母さん・お父さんが当院を選んで通院・出産される事が増えてきており、3世代目の赤ちゃんの成長も見せて頂けるのは嬉しい限りです。

取材/文章 小滝由香里(Eu-D)

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