きずなづくりプロジェクト「絆レボリューション」きずなづくりの心得。妊娠期からの「きずな」づくりを始めましょう!!

産婦人科ドクターにインタビュー

「きずなづくり」について産婦人科ドクターにインタビュー。

妊娠期間中で"母親"に育てるのが産婦人科医のつとめ

− 妊娠期間中に、女性から母親へと生き方を変えるためへの教育 −
大門医院 副院長 大門美智子
大門医院
副院長  大門美智子
URL:大門医院
http://www.daimon-cl.com
KAF
http://aroma-kansai.org

「妊娠期間中に、いかに親になれるか、母親としての自覚を育ててあげるのが私たち産婦人科の役割。」と、笑顔で話す女医さん、兵庫県宝塚市にある大門医院の大門美智子先生にインタビューしてきました。

美智子先生は、日々の産婦人科業務と3人の子育てをこなし、更に「産婦人科医がお届けするアロマセラピー診療日誌」「ハートウォーミング法(女性向けの自律訓練法)」「サプリDEブログ」など、妊婦さん向けの情報の執筆活動を精力的に行い、2008年には、アロマセラピストの活躍の場を広げるため、NPO法人「関西アロマセラピストフォーラム(KAF)」を立ち上げられました。
妊娠期間中の妊婦さんの教育がいかに大切かをお聞きしました。


女性にとっての出産とは、一言で言うとどういったものでしょうか。
お産は女性にとって、とっても大切な経験だと私は思っています。
妊娠出産を経験して、すばらしい女性に変身するのです。
そのための産婦人科医の役割について教えてください。
私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。
子供の心の病気の増加とともに、妊娠中のお母さんの不安が胎児に与える影響は非常に大きなものであるということがわかってきました。
また、赤ちゃんを抱っこするのは、自分の産んだ赤ちゃんが初めての経験である方も多くなりました。

妊娠中には、女性は大きく変化します。新しい生命を宿すことによって、自然にそうなるのかもしれません。
赤ちゃんがどんな環境に生まれおちても育っていけるようにさまざまな能力を携えて生まれてくるのと同様に、妊娠中のお母さんは感受性も高く、子育てに対する知識を得たいというモチベーションも高くなります。
妊娠はお母さんが大きく変化することのできる期間だと思います。

泣き虫ママが周囲の支えとともに強い母に変身します。

なんだかいつも不機嫌で、私たちも対応に躊躇するような感じだった方が、出産をよい経験ととらえることによって、とてもにこやかなお母さんになりました。

出産を機会に大きく変化したお母様方をたくさん見てまいりました。
妊娠というこの大切な期間に、良い母親となれるようにお母様方を指導させていただく、これが私たちの使命だと考えています。
"母親としての自分"を育てるためには、具体的にどういったことをされているのですか。
胎教教室(写真)
胎教教室
まずは、妊婦健診での指導ですが、外来診療ではゆっくり話すことはできないので、胎教教室を開いています。
胎教教室は参加型で行い妊婦さん同士話し合っていただきます。不安なことばかりではなく、うれしかったことを話し合って喜びを共有します。
不安なことも話し合いながら、お互いに解決していきます。
ちょっとした悩み事も、「あら〜そうなの、私も一緒」ということで、すごく安心します。
私が「それはよくあることだから心配いらないのよ」というよりは、このようにお互いに話し合ったほうがず〜っと安心されますね。

ときには私が説明を付け加えたほうがいいことは、私がコメントすることにしています。

その後、ご自分のストレス発散方法をお話していただきます。皆さん上手にいろんな方法でうさをはらしておられます。

このような話合いの後に、リラックス方法の一つとして、自立訓練法を紹介させていただきます。
スポーツやビジネスの分野に、またNASAの宇宙飛行士も練習するものです。ソフロロジー分娩も素地にあるのはこの自律訓練法の姿勢です。
自律訓練法で、妊娠期間を健やかに、お産は安産を志し、出産後の育児に備えまましょうねとお話しています。
今の妊婦さんは昔とどういったところが違いますか。
アロマカフェ(写真)
アロマカフェの様子
今の妊婦さんのおかれた環境によるのでしょうか、昔に比べると何でもないことに不安感を抱く人が多くなったように思います。もう少し肩の力を抜いて自然体でいってもいいのにな〜と思うこともあります。
また、赤ちゃんが泣くことにとても敏感です。昔は「泣くのが赤ちゃんの仕事よ」みたいな考え方があったと思いますが、とても気にされる方が多いのに驚かされます。

おなかの赤ちゃんには心理学で無様式知覚と言って、お母さんのことを何もかも感じ取ってしまう能力があります。
だから、お母さんのリラックスが大切です。
おなかの赤ちゃんは耳を澄まして大好きなお母さんの声を聴いています。
胎教教室では最近明らかになってきた胎児の素晴らしい能力をご紹介します。
皆様あまりご存じではないことが多いです。
このような話の中で胎児期より愛着を育んでいただくお手伝いをします。
自律訓練法は、お母さんのリラクゼーションの一つに付け加えていただけるように簡単ですが練習します。

胎教教室の後にも、もっと妊婦さん同士お話しする機会がほしいというお声を聞いて、マタニティ・アロマカフェを開催することにいたしました。
いろんなお友達とお話が出来る場の提供も大事な役割だと思っています。

このような活動を、当院の患者様だけではなく、もっと大勢の人に参加していただきたいという思いから、NPO法人関西アロマセラピスト・フォーラムの援助を受けて、アロマでセルフケアの話を織り交ぜながらマタニティ・カフェを開催していきたいと思っています。
*参考:ハートウォーミング法(自律訓練法) http://heart-warming.jp
− インタビューを終えて −

「昔は自然にお母さんになれたのに、今はなれない人もいる。
なれないまま赤ちゃんができて産まれて、なれないまま子育てが始まる。」
現在増えている乳幼児虐待事件にも、関係がありそうなお話でした。
産婦人科は、ただ健診に行って出産するという場所ではなくなっているのだと感じました。
自分の親の時代とも今は違います。
誰に何を聞いて何が本当なのかわからない、そんな時に、産婦人科はちゃんとヒントをくれて導いてくれる場所なのだと教えて頂きました。

取材/文章 中村有希(Eu-D)

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